鴎外全集24 p31 雲中語
明治29年
【関連する記事】
下手をすると、明るい昼日中のサ店で、目を点にして、大声を出して、話をしていると、二度と、行けなくなるサ店を作ることになりますから、要注意です。
『ANO ANO II』徳間文庫 1983 p91
セックスの前にクダクダ、言い訳がましく、「ヤルゾヤルゾ」と宣言すべく、「いい?」とか目を点にして言うのはやめてほしい。
同書 p99
行政改革といふことは、よく気を付けないと弱い者いぢめになるヨ。おれの知つてる小役人の中にも、これ迄随分ひどい目に遭つたものもある。全体、改革といふことは、公平でなくてはいけない。そして大きい者から始めて、小さいものを後にするがよいヨ。言ひ換へれば、改革者が一番に自分を改革するのサ。松平越中守が、田沼時代の弊政を改革したのも、実践躬行をやつて、下の者を率ゐてゐたから、あの通りうまく出来たのサ。
何人もに頼まれた本が、意外や、小学校で使った教科書だった。
「私は雨をんななんです」と言った。「私が旅行に出るときっと降られますわ」
我国にも古来八人芸などいふものあり、又西洋にも腹話術(Ventriloquism)などいふものありて、能く一人にして種々の声すと云へば、女子にして男の声を出すことも敢て難きことにはあらざるべし
だれだい、俺の満州行きを物見遊山かといってるのは。冗談じゃないよ、そんな余裕があれば、何が悲しくって零下四十度なんて、酷寒の、発展の途上といったって、事実は朔風天地を裂く荒野じゃないか、あんなところへなんか行くもんか。(p42-43)
乙州が「青き南蠻」といへるハ何ぞや。南蛮といへる物しらず。黍の事か、唐がらしの事か。平話にハいふといへ共、文章ニつらねる時、一句南蛮と斗《バカリ》いへるものなし。惣躰ニて、唐がらしと成共、又ハ玉黍と成共、きこえ侍る句作ならバ、南蛮共下畧尤たるべし。
青き中よりからき南蛮
などあらバ、唐がらしの句ともいふべし。此句、秋なるや、夏なるや、慥《タシカ》ならず。青唐がらしならバ、夏たるべし。黍にても、青きとせば夏ニ成べし。
この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。