2005年04月21日

もじぶんか【文字文化】

『文字文化展覧会』 カナモジカイ・国語協会 1935.11.1

後藤朝太郎『文字講話』(1943.1.18 黄河書院)
「軍事に関する文字文化」「法律に関する文字文化」


漢字文化
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かんじぶんかけん【漢字文化圏】

『日本語の歴史2文字とのめくりあい』1963.12.17、平凡社(執筆・資料提供 堀江知彦・池上禎造・亀井 孝・河野六郎・宮内庁・頼惟勤・静嘉堂文庫庁・関 晃・玉井良子・東洋文庫・築島 裕・山田俊雄)表紙
東アジアにひろがった漢字文化圏の東方海上に、ぽっかりと浮かぶ日本語列島−それは漢字と異系の言語とがふれあう孤立した実験室にほかならなかった。そこで、漢字を溶融しながら、日本語はその新しい景観をくりひろげてゆく



【参考】
鈴木真喜男「先生と『上代音韻攷』」(『金田一京助先生思い出の記』1972.11.14三省堂 p242-244)
有坂博士の早逝《引用者註:1952年43歳》をおしみ、漢字音研究の進展をねがわれた先生の御命令で『国語音韻史の研究 増補新版』のしごとを援助された、河野六郎・亀井孝・三根谷徹の三氏に、頼惟勤氏・北村甫氏、そして、わたくしとで、漢字音研究の会がもたれるようになった。このはつしごとが、「漢字音発達史の総合的研究のための基礎資料の蒐集ならびに整理」である。近時、次第にもちいられるようになった"漢字文化圏"ということばも、この会で、つかいはじめた用語なのである。

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かんじぶんか【漢字文化】

高橋俊乗『日本教育文化史』(1933)(講談社学術文庫p51)
これを見るといかに漢字文化の修得が困難であったか、従って自覚的・組織的教育の進歩・普及がいかに漸進的であったか想像以上のものがあるのである。


【漢字文化圏】
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げんごぶんか【言語文化】

上田敏「細心精緻の学風」『帝国文学』二巻八号 1896
今日文学研究の法未だ邦人の間に明ならず、哲理を交へ、実感を挿む等の如きものあるは、近世文献学の研究法別に存するを辨ぜざるに座し、言語文化の緻密なる考察に力を仮らざればなり。


漢字文化
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ぶんかけん【文化圏】

板沢武雄「海外学会消息」(『民俗学』2-1(1930.1))p73
(ロウイーはdiffusionistとして)独の「民俗学方法論」の著者グレプナー、アントロポスの将師シュミット、即ち一般に所謂文化史学派、文化圏説と名付けらるゝものの唱道者たちの一団とを挙げている。


【漢字文化圏】

【参考】
 比較的に広大な一地域、例へば一大陸の全部に亙つて、個々の文化領域とその種々な接触地帯および混合地帯を探究して見ると、かういふ事実を発見する。即ち個々の文化領域の相互間にどれほどの差異があらうとも、それぞれの包含する或る一定数の要素は、あの地でもこの地でも常に同様の結附きを示してゐることである。これらの要素といふのは、文化生活のあらゆる必要部分――物質的および経済的文化、社会的・道徳的および宗数的文化――に食ひ込み、従つて、これらの個々形態によつて或る一定の性格を刻みつけられた文化の全体を、或る程度に包括してゐるといふやうな要素である。かういふ個々=文化領域の全体を、文化圏(Kulturkreis)と名づける。これらの個々領域がかやうな一文化圏に共属するといふことは、個々の符合点が数多く存することから帰結されるのである。

W・シュミッド著/大野俊一訳『民族学の歴史と方法』1944.10.18 彰考書院 p148
W. Schmidt und W. Koppers "Gesellschaft und Wirtschaft der Volker" Regensburg : Josef Habbel 1924
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かんごぶんかけん【漢語文化圏】

亀井孝「日本語の現状と述語」(1948.11)『思想の科学』3-9(『亀井孝論文集1 日本語学のために』吉川弘文館(1971.6)による)
日本は、ながい時間をつひやして、漢語文化圏の一員となり、また、みづから漢語の文化をうちたてたものであるが、


【漢字文化圏】
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かんぶんかけん【漢文化圏】

池上禎造「日本語」『国語学辞典』1955.8.20
地理的にも漢文化圏に属し、文字もそれからの借用と、それから発生したものとを使っている。語彙の借用が、ここでは文字とからまるために、国語に及ぼした影響ははかり知れないほど大きい。



【漢字文化圏】
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2005年04月20日

きペン【木ペン】

宮沢賢治「風の又三郎」(青空文庫
佐太郎が、いきなり手をのばして二年生のかよの鉛筆をひらりととってしまったのです。かよは佐太郎の妹でした。するとかよは、
「うわあ、兄(あい)な、木ペン取(と)てわかんないな。」と言いながら取り返そうとしますと


南部方言
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2005年04月18日

はやくに【早くに】

上田秋成『冠辞考続貂』五「なよたけの」
是ははやくに男しけるをしらで。世情づかぬ女とおもひし事の心おそさよと。妬ましさにくり言していひやる也。


秋成「ますらを物語」にも、「はやくにほろぶべき」


『時代別国語大辞典 室町時代編』ありこし[蟻腰]所引
「召スコトアラバ早クニ来タルベシ。来タラズシテ、アリコシ折ラルナ、細腰折ラルナ」(琉球神道五)
(「筱舎漫筆」巻三「琉球神道記」にも引く。随筆大成旧2-2,p67。「ハヤクニカヘルベシ/\。モシアヤマリアランニハ。アリコシヲラルベキゾ。ホソコシヲラルベキゾ。」と続く。)
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2005年04月17日

やすくで【安くで】

黒島伝治「電報」(大正十二年三月)
二人の子供の中で、姉は、去年隣村へ嫁(かた)づけた。あとには弟が一人残っているだけだ。幸い、中学へやるくらいの金はあるから、市(まち)で傘屋をしている従弟に世話をして貰って、安くで通学させるつもりだった。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000037/card319.html



筒井康隆『文学部唯野教授』
今、安くで手に入る本ってのは中央公論社の『世界の名著』第六十二巻が千三百円。これがいちばん安くて、フッサールの著作が三つ入ってます。


坂口至『国語国文 古本屋巡りをする人のために』
結果的に駐車料金ゼロでなくなるわけであるが、普通の駐車場に比べれば安くで済む。



『新方言辞典稿』
http://members.jcom.home.ne.jp/hogen/dic/dic136.html
鹿児島 木部1995 = 木部暢子「方言から「からいも普通語」へ」(言語1995.11別冊『変容する日本の方言』)
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せっせこ

柳家小三治『ま・く・ら』講談社文庫


せっせこせっせこ卵を産むんです。 p359


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いる【射る】(四段)

徳富猪一郎『蘇翁夢物語』中公文庫
人を射らば馬を射よ(p101)



杉山茂丸『児玉大将伝』中公文庫
目を射らんばかりの業物《わざもの》である。(p241)

大正七年刊、博文館

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とうよういち【東洋一】

http://www.nikkoku.net/tomonokai/toukou_card.html?snum=14905


2004年10月21日。文例募集に応じたもの。
語釈は編集部が付けた。

香港《ほんこん》は英吉利《いきりす》領《???》の一孤島々《はなれしましま》にひらきし新《しん》みなと商買繁昌《しゃうはいはんしゃう》土地《とち》にきはひ東洋一《トウヤウイチ》の港《みなと》なり



「文例募集」にお答えします。明治31の福沢全集( http://kindai.ndl.go.jp/cgi-bin/img/BIImgFrame.cgi?JP_NUM=41017575&VOL_NUM=00002&KOMA=315&ITYPE=0 )でも見られます。
「東洋一」は、中国書にあるのか、西洋からの翻訳語であるのか、など、気になるところです。



世界国尽
1869年
福沢諭吉
巻一、5丁表から裏にかけて
(国会図書館近代デジタルライブラリ)
http://kindai.ndl.go.jp/cgi-bin/img/BIImgFrame.cgi?JP_NUM=40005925&VOL_NUM=00001&KOMA=19&ITYPE=0



【追記】
小学館から4/27に、
『東洋一の本』  著者名:藤井 青銅 ISBN:4093875596
が出るとのこと。
著者の藤井青銅氏のページ。
bk1
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ちょうしゅんげ【長春花】

前栽《せんざい》は、むらむらいと多く見ゆれど、まだ咲かぬ夏草の繁み、いとむつかしげなる中に、撫子《なでしこ》・長春花《ちやうしゆんげ》ばかりぞ、いと心地よげに盛りと見ゆる。

『無名草子』(角川文庫。p13)

『日本国語大辞典』では、「ちょうしゅんか」で、14世紀の用例。

【参考文献】
宮崎裕子「『無名草子』と「長春花」」
『語文研究』98(2004.12)
posted by 岡島昭浩 at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『無名草子』

『日本国語大辞典』では、組織的に用例採集は行っていないのではないか、とも思える。
用例が載せられていることが確認出来たのは、以下の項目。

あおい【葵】
あまよの品定
ある
うのはながきね【卯花垣根】
おもての波
くらき
こころの色
さんだいしゅう【三代集】
すきごころ
ずしやか(第二版)
勢至菩薩
せんず【撰集】
せんずる【撰】
たいし【太子・大子】
ただあリ【徒有】

採られていないもの
ことばつづき
長春花
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2005年04月15日

けんおう【県央】

http://www.nikkoku.net/tomonokai/toukou_card.html?snum=906

紀田順一郎『図書館活用百科』新潮社 1981年
p245

少し高度な問題は都心や県央の大図書館を利用するという二段構えの作戦をとるとよい。

「都心」と対で使われているので、県庁所在地――県都、というのとは意味が違いそうです。小島敦夫「八木節の粋」(文春文庫『チェロと旅 90年版べスト・エッセイ集』)にも3例ほど見えます。



ちくま文庫版では、「都心や県央の」が、「都心や県立の」となっている。




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2005年04月06日

オス

獅子文六『自由学校』「地下の人」(新潮文庫 昭和28.6.20発行 昭和47.1.20 36刷による。p234)、
「オス……」
加治木は、閉ざされた襖の外で、声をかけた。
「オス……」
中から、同様の返事があると、襖を開けた。

元軍人同士の間で交わされている。『自由学校』は一九五〇年の発表。
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2005年04月04日

おもいつく【思い付く】

獅子文六『悦ちゃん』角川文庫1567(昭和32.7.20 昭和35.9.20 12版による)p126
持参金付の美人に思いつかれるし、碌さんも追々、運が向いてきたな。


古語ではない新例として。
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2005年04月03日

ひらぺたい【平ぺたい】

成田和雄『ジョン万次郎』(河出文庫 1990.03)、p51
海のかなたに、帯のように平ぺたい陸がうっすらと浮かんだ。


成田氏は1933年、岐阜市生まれ。
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2005年04月02日

きょくほく【極北】

芥川龍之介「文芸的な、余りに文芸的な」「四十 文芸上の極北」(1927.8『改造』)

文芸上の極北は――或は最も文芸的な文芸は僕等を静かにするだけである。


青空文庫図書カード

ラテン語 ultima Thule の訳語。(語の認定はYeemar氏によります。
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